肉の火入れ
【基礎】
簡単にいうと肉のタンパク質は
「ミオシン」
「アクチン」
「コラーゲン」
に分けられる。「ミオシン」と「アクチン」は柔らかいタンパク質だが、「コラーゲン」は硬いタンパク質で、温度による変成具合も全然違うものとなる。
大雑把に言うと…
50℃くらい→ミオシン変成し始める
55℃くらい→コラーゲン変成し始める
65℃くらい→アクチン変成し始める
75℃くらい→コラーゲン変成が活発になる
それぞれの変成とは…
ミオシン→生肉のグニグニした食感から、所謂、火の通った噛み切れるような食感に変わっていく。
コラーゲン→硬くてゴムのような…生のスジ肉を思い出して欲しい。それがトロトロのコラーゲンに変わっていく。55℃くらいから変成すると書いたが低温だと非常にゆっくりで、それこそ10何時間というレベル。高温だと早く変成する。
アクチン→変成すると肉が縮んで硬くなってしまう。水分を多く蓄えているタンパク質なので、縮むことによって肉汁を絞り出す事になる。
変成のところを見ると解るように、硬い豚には2つの原因があると思われる。
①アクチンが変成して、所謂パサ豚になっている。
②煮込みが足りずコラーゲンがゼラチン化していない。
【まとめ】
多少の妥協は必要だけど、要はアクチンを出来るだけ変成させないで、コラーゲンをゼラチン化すればいいということ。
だから、コラーゲンの変成が活発化しつつ、出来るだけ温度の低い70~80℃くらいで3〜5時間という辺りで検証している。適正温度と時間のバランスを見つける事が、神豚を作る方法と言える。